| ９８ 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける （従二位家隆） |
| 【パリ雑感】 第５部 パリの書道ライフ 98 日本語の特徴 書はその表現の根拠を言葉の意味と文字の形の中に持っている、というのが私の信念です。 日本語の特徴とは何でしょうか。 日本語はフランス語のように厳密な文法に支配されてはいません。 また、中国語のように四角四面の漢字がレンガ造りの壁のようにがっちり組み合わさって聳え立っているという感じもありません。 日本語は漢字とひらがなを織り交ぜながら、軽やかに漂っているような印象があります。 例えて言えば雲や霞のようなもので、どのような姿形を取ることもできます。 私は、日本語の特徴はこの可塑性にあると思っています。 平安時代の先人たちが和歌を書く際に散らし書きを行ったのも、日本語自体にそうした性質があったためでしょう。 (2012年2月13日） |
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