| ５０ 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな （藤原義孝） |
| 【パリ雑感】 第３部 フランスの文化 50 乾杯 フランスでは乾杯の時に「チンチン」と言います。 日本人が思わず笑ってしまうこの「チンチン」ですが、由来は遠く中世に遡ります。 当時の上流階級では、飲み物に毒を盛ることが盛んに行われました。 このため、杯をぶつけ合ってお互いの飲み物の一部を交換し、信頼の証にしたのだそうです。 最初の「チン」で自分の飲み物を相手の杯に入れ、二度目の「チン」で相手の飲み物を自分の杯に受けるわけです。 当時の杯は銀や錫でできていたので、強くぶつけても大丈夫だったのですね。 現在では杯はガラスですから、「チンチン」と言いながら一度だけ軽く触れ合わせます。 フランス人に言わせると、乾杯の時に相手の瞳をしっかり見つめる、これが大切なのだそうです。 (2011年3月14日） |
 アルザス地方の木組みの家。コロンバージュといいます。 |
