【百人一首とパリ雑感】

21 今来むと




21 今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな (素性法師)

【パリ雑感】 第2部 フランス人たち

21 あいさつ

フランス人は知らない人同士でもまめにあいさつを交わします。
スーパーのレジのおばさんにも「ボンジュール、マダム」、エレベーターに乗り合わせた人にも「ボンジュール、ムシュー」。
一言あいさつを交わすだけで、相手との関係がぐんと近いものになります。
こうしたあいさつが簡単にできるのは、国民性の違いもさることながら、言葉の特徴も大きいように思います。
ボンジュールはわずか2音節で発音できますし、マダム、ムシューというのも誰に対しても使える便利な言葉です。
日本語の「今日は」ではちょっと長すぎるし、見知らぬ人に直接呼びかけるための言葉もありません。
日本のスーパーのレジで「今日はお嬢さん」などと言ったら気味悪がられるでしょうね。

(2010年8月23日)

シャンボール城(ロワール地方)