松図。馬驍の画を手本にしました。 賛は「松樹千年翠」。松は千年もの間風雪に耐え、つねに青々として緑を輝かせている。移ろいやすい世の中で、常に変わらない松の緑こそ万古不易の真実の象徴であるとの意です。 引首印は河井荃廬の摹刻で「曲則全」。老子の語で、「曲なれば則ち全し」と読みます。曲がりくねった樹木は材木としては使えないため、伐採されることはない。役に立たないことによって、かえって天寿を全うできる、という老子得意の逆説の哲学です。（２０１５年４月）