江雪

江雪　柳宗元
千山鳥飛絶　萬徑人蹤滅
孤舟蓑笠翁　獨釣寒江雪

山という山から鳥の飛ぶ姿は絶え、道という道から人の足跡が消えてなくなっている。
　ぽつんと一艘の小舟に蓑と笠を身にまとった老人が、ただ独り寒々とした渓谷の雪の中で釣り糸を垂れている。

超がつくエリート官僚でありながらクーデターにより失脚、左遷されたまま47歳の生涯を終えた柳宗元の代表作。
静謐な情景を詠んだ詩ですが、それを見つめる詩人の心の中には複雑な感情が渦巻いていたことでしょう。
孤独と失意そして諦念がないまぜになった気持ちを、文字に大小と振幅をつけて表現してみました。