雪月花
冬の雪、秋の月、春の花。四季の代表的な景物。

雪月花時最憶君。雪月花の時、最も君を憶う。白楽天詩句。
「寄殷協律」　白楽天
殷協律は白楽天が杭州、蘇州刺史だったころの属官で、江南での交遊を懐かしんだ詩。
五歳優游同過日　一朝消散似浮雲　琴詩酒伴皆抛我　雪月花時最憶君　　
幾度聽鷄歌白日　亦曾騎馬詠紅裙　呉娘暮雨蕭蕭曲　自別江南更不聞
五年の間、君と過ごした楽しい日々は、ある朝、浮雲のように消え去ってしまった。
琴・詩・酒を楽しんだ仲間は皆私の前からいなくなり、雪・月・花の時期には君をひたすら思い出す。
何度「黄鶏」の歌を聴き「白日」の曲を歌ったことか。また馬に乗って紅衣を着た美人を詠じたこともあった。
呉娘の「暮雨蕭々」の曲は、江南で君と別れてから一度も聞いていないのだ。