| 南無阿弥陀仏 浄土宗で阿弥陀仏の救済を願って唱える語で、阿弥陀仏に帰依するという意味の六字名号（みょうごう）。 |
| 【日々雑感】 32 ポリーニ マウリツィオ・ポリーニといえば、1960年、弱冠18歳でショパン国際ピアノコンクールに優勝したイタリア出身の天才ピアニストです。 ちょうど今、来日して演奏会を開いていますが、私は３年ほど前にパリで聴きました。 私にとっても昔からのあこがれのピアニストだったので、胸をときめかせながら会場のサル・プレイエルに向かいました。 曲目はベートーヴェンのテンペストと熱情、それにピエール・ブーレーズの第２ソナタ。 当時67歳のポリーニは想像していたよりも小柄で背中も丸くなっていましたが、テクニックの完璧さに加えて力強さと逞しさを感じさせる弾きぶりは相変わらずです。 観客の咳払いを他の観客がシーッと制する異常に緊張した雰囲気の中、テンペストと熱情は期待通り迫力に満ちた演奏で、ベートーベンの世界を十分に堪能しました。 後半のブーレーズのソナタは、音は飛ぶしリズムは複雑で、ピアニストにとって超難曲であることは分かるのですが、やはり感情移入できないなあという感じでした。 演奏が終わったポリーニは拍手に応えながら、手を額にかざして観客席の誰かを探しているようです。 するとちょうど私の席の右斜め後方に、作曲したブーレーズ本人が来ていて、ポリーニが舞台に招き上げました。 ステージ上に二人が立ち並ぶとやんやの喝采で、失礼ながら曲自体よりよほど盛り上がりました。 それにしてもポリーニの演奏は集中力がすごく、ピアノに向かう姿は「ピアノの行者」といった感じでした。 (2012年10月29日） |
 マウリツィオ・ポリーニ（1942- ） |
