49  あふみの海

 

あふみの海夕浪千鳥ながなけばこころもしのにいにしへおもほゆ

 

あふみの海夕浪千鳥ながなけばこころもしのにいにしへおもほゆ

万葉集,柿本人麻呂の秀歌。
琵琶湖の夕浪の上を舞い飛ぶ千鳥よ。お前が鳴くと,心もうちしおれて滅んだ大津の宮の時代が思われる。

35cm×120cm
日常生活では断然多いにもかかわらず,書道界では全く顧みられない「横書き」をやってみたくて書いた作品。万葉を横書きで書くことには異論があるでしょうが,人麻呂の名吟に導かれて大和の山並みを思わせるような雰囲気に仕上がりました。(2004年9月)